主人公の年齢が近かったり、家族構成が同じということもあり、なんとなく身近に感じて読んでいたのですが、好きなことに全てを捧げるまでは考え方には納得できても、主人公の考え方には疑問に思う部分も多かった。でも、そんな主人公の疑問に感じた部分も、文芸部の垣内くんとのやり取りなどを通じて少しずつ変化していく。その過程の文章は特別飾ったものではないけど新鮮に感じました。主人公が新しいことに気付いたり、考えを少し変えてみたり、そうなる切欠を与えた場所の多くは学校の図書室。そして、主人公は大変な時に神様にお祈りする習慣のようなものもある。だから、書名も『図書館の神様』なんだろうか。なんでこのタイトルなんだろうな、と少し思ったので。
 瀬尾まいこさんの本はおそらく2冊目。さくさくと読み進むことができ、自殺や不倫という内容を含んでいる割には爽やかな読後感でした。この方の書く本は読みやすい。

 本編とはあんまり関係ないのですが、私もロールキャベツにはカンピョウよりパスタの方がどちらかというと好みだなあ、と読んでいて思いました。