「このミステリーがすごい！」の大賞を受賞した、ということで気になって読んでみた本。最初はだらだらと読んでたのですが、色んな登場人物からの視点の話と主人公の話が繋がろうとした時からなんか楽しくなって、ぐいぐい話に引き込まれていきました。（バナナの皮が凶器、というのも個人的にツボでした。滑らせるための古典的な罠ではあるけど）小説になぞらえての殺人もドキドキしました。次はどうなるの？　この人、きっとああなっちゃうよね！？　みたいな感じで、続きが気になって。中盤あたりのテンポはとても良いと思う。

　が、途中までのテンポは良くても、ややラストが尻切れトンボな気がしました。橋元の死とか一応フラグが立ってたとはいえ、唐突というか。ちょっとびっくりしました。それにしても、結局どうなったのか。陣内と本宮は死神から逃げ切れたのか。（さすがの本宮さんも苦戦しそうですが、大丈夫のような気もする）死神と魔女は何もなしなのか。なんか惜しい感じでした。