おいしい文藝シリーズ第6弾。夏にぴったりの冷たい甘味にまつわるエッセイ集で、いい時期に読んだなあと思う。全体的にノスタルジックな雰囲気でした。今はなかなか見られないものに思いを馳せているような感じの文章が多かったかと。
 表紙の蜜豆も涼しげでおいしそうです。ちょこちょこ取り上げられていた氷水、食べたことないのでどんなものなのか気になります。すごく素敵な食べ物に感じました。
 どれも魅力的なひんやりおやつが登場するのですが、安野モヨコのエッセイにはくすっとさせられました。

【目次】
浅田次郎 しろくま綺譚/南伸坊 正しい氷水/色川武大 氷を探して何百里/馳星周 マンゴープリンの放浪者/阿川佐和子 三口の快楽/江國香織 スイカシェイクとひろみちゃん/野中柊 アイスクリームソーダ/植草甚一 ヴィレッジのアイスクリーム/石井好子 パリのアイスクリーム/池波正太郎 クリーム・ソーダとアイス・コーヒー――銀座〔清月堂ライクス〕/吉村昭 アイスクリーム/獅子文六 涼しき味(抄)/鎌田慧 やさしいアイスクリーム/増田れい子 アイスクリーム/立川談志 チョコレートとパイナップル/久保田万太郎 アイスクリーム/丸谷才一 冬のアイスクリーム/戸川幸夫 アイスクリンの味/山本夏彦 氷水/阿古真理 「カルピスつくって!」/古川緑波 清涼飲料/檀一雄 アメ湯追憶――律義なソ連のアイスクリーム屋/松井今朝子 真夏の冷やし飴/遠藤周作 盛夏の麦茶/山本一力 おらんくの『店』/沢村貞子 目秤り手秤り/池部良 みつまめ――そこはかとなく年の違う妹のような思い。/吉行淳之介 蜜豆の食べ方
幸田文 くだもの/向田邦子 水羊羹/久世光彦 ところてん/出久根達郎 心太/安野モヨコ ところてん/伊藤比呂美 葛の恋/酒井順子 ゼリー/重松清 昭和のゼリー/朝吹真理子 木星に似た、あの/東海林さだお 「あずきバー」をアイス/内館牧子 アイスキャンデー/立原えりか アイスキャンデー売り/川上弘美 八月某日 晴