題名に「楽しい」とあるだけに、古事記が楽しく感じます。読んでみたいけど、ちょっとなあ・・・なんていう人が入門書として読んでみるのがいいかもしれません。難しく、頭の中でこんがらがってしまう部分が取り除かれていて、作者がおもしろい! と思うエピソードが作者のエッセイとともに掻い摘んで紹介されています。とりあえず大まかな内容が知りたいという方、楽しんで古事記を読みたいという方にはオススメです。

 古事記について書かれている本は数冊読んでますが、この『楽しい古事記』では雑学的な要素が多く書かれているように思います。作者の主観だとか、このエピソードはつまりこういうことなんだよ、とか。実際読んでいて、結構現代でも似たようなことあるよなあなんて思ったりもしました。
 あと、ところどころにある作者の古事記に対するひとり言っぽい感想がおもしろかったです。その感想・些細な疑問は普通に考えれば誰だってちょっとは不思議に思ってもいいかもしれませんが、私は普通に読み飛ばしてきました。たとえば、アマテラス大神が天の岩戸を何の苦もなく開けて閉じたりしたこととか。だって、あれ他の神様は開けられなかったんですよね。どれだけ力があるんだ!? 初めて疑問に思いました。でも、そんな疑問もアマテラス大神だからなあって片付けられちゃいますね。古事記、確かに楽しいです。