『皇国の守護者』は漫画から入ったクチ。といってもまだ1巻しか読んでないんですが。(2006年9月時点)その漫画の世界観が好きで原作も読んでみたいなあと思っていて、やっと読むことができました。漫画から入ったので、いろいろある説明を読むには億劫にもなりましたが、小説から入る方には丁度いいと思います。説明は丁寧ですし、銃器や剣牙虎、天龍の説明にはイラストも付いてますし、隊がどのように進んでいるのか戦略的なことも図で表されているので。
 『皇国の守護者』を簡単に言うと、完全なる架空な世界での戦争の物語。作者の方は戦略シュミレーション話を主なジャンルとしているらしく、よく出来ているなあと思います。また、『皇国の守護者』の世界が魅力的なんです。剣牙虎(サーベルタイガーみたいなの)や天龍なんて登場するのですから。それに道術を使う兵士なんかも登場します。
 ただ、世界観は良いのですが、登場人物の心理描写がちょっと少ないような気もします。なので、軍事的なことは印象に残っても(なかなかシビアでした。戦場だから仕方ないとは思うのですが。なるべく損害を増やさないようにしないといけませんしね)登場人物はあまり印象に残らなかったです。が、主人公の新城直衛とその猫である千早は別です。あの2人の間には特別な何かがあるんでしょうね。イラストでは剣牙虎って獰猛そうなんですが、千早は猫みたいで可愛いとすら思ってしまいます。
 ラスト、帝国の兵に追い詰められ(?)てピンチに陥る隊ですが、どうやって新城はそれを切り抜けるのでしょうか。次巻にも期待です。

 当時、ノベルスで読んだのですが今は絶版っぽい?画像リンクはkindleのものです。作者の方がお亡くなりになって未完の作品になってしまったこと、寂しいし残念ですね…。ご冥福をお祈りします。