映画を見ているので、大体のストーリー展開はわかってるつもりでしたが、やっぱり後半は泣きそうになりました。ミツルのとこはやっぱり悲しいですね。ワタルが祈りをするときに「後悔をしているか」とか言う部分があるんですが、そのところで「はい」とはっきり答えるところとか。何に対しても無感動なところがあったのですが、やっぱりヒトとしての感情というか、心のどこかでは自分のやっていることに疑問を持ってたりしていたのかなあ、と。常闇の鏡の封印を解く(?)場面でもちゃんとワタルたちに行ってましたもんね、「逃げろ!」って。死なせたくなかったんですね。
 それから本編にはちゃんと書かれてなかったと思いますが、皇女であるゾフィに対する幸福云々の台詞も自分を引き取って育ててくれた叔母への言葉ですよね。叔母はもっと幸福であるべきだとか、幸福であるはずだったみたいな感じで。
 あと、悲しかったというかショックだったのはカッツさんの死。うすうす心配はしてたんですが、予想外だったというか。勇ましいヒトだったし、ワタル同様いなくなってしまうだなんて全然考えてませんでした。でも、かっこよかった。ロンメル隊長とのエピソードも切なかったです。ヒト柱、まさか彼もそうだったとは。悲観的ではなく、むしろ未来のことを思う彼に胸が熱くなります。
 全編通してワタルの成長が描かれてますが、最初に比べると目覚しい成長っぷりだと思います。頼もしいというか。仲間に恵まれたというのもワタルにとってはプラスだったのですね。彼の最後の願いが自分のことじゃなかったのも頷けます。ワタルが旅を通して大切なものを知ったように、私も大切なものを知ったような気がします。勇気をもらえる作品です。

 上・中・下と一気に読まず、間を開けて読んでしまいましたが、やっぱりこの作品は一気に読むのがベストだと思います。挑戦する際は時間があるときに一気にどうぞ。