江戸川乱歩といえば、日本の古典ミステリで有名。明智小五郎、怪人二十面相、ミステリに興味がない人でもその名前くらいは聞いたことがあるのでは。この江戸川乱歩推理文庫、随分とシリーズが出ているようですが、今回は初読ということもあって聞き覚えのあるタイトルのこちらを選んで読んでみました。
 長い間、老若男女に親しまれてきたとだけあってほんと面白かった。明智小五郎と怪人二十面相の騙しあいならぬ、出し抜きあい。1つの話に何かしらトリックがあったようにも思います。明智小五郎の推理力も見事ながら、怪人二十面相の智慧にも舌を巻かれます。変装の能力にも。その人の顔を知ってる人たちまで騙してしまうのですから。ましてや、あの人の姿に化けてしまうなんんて大胆不敵すぎます。
 忘れてはならないのが、小林少年を団長とした少年探偵団です。子供だからといって侮ることなかれ、子供だからこその活躍を見せてくれます。(探偵団におけるルールは可愛らしく思えるし、探偵バッジは使い道も多々あるようです)怪人には出し抜かれちゃったりしてますけど。(まさか捕まってなかっただなんて思いませんでしたよ。もう流石としかいえません)小林少年なんかは大したものだと思います。明智小五郎の助手とのことですが、特別足手まといになることもなく彼の力になってます。むしろ頼りになれているみたいです。彼等の出会いなんかも気になります。
 怪人二十面相は明智小五郎との勝負に負けるわけですが、彼はほんとに負けたんでしょうかね。死んだとも言い切れない終わりだしたし、まだどこかで生きているような気もします。出し抜いてやったぞ、って。
 挿絵は別の方でしたが表紙イラストは天野喜孝さんでした。