竜堂四兄弟は、人類50億人抹殺計画を遂行する四人姉妹(フォー・シスターズ)の本拠地英国へ。

 本筋の敵よりも、本来なら脇である敵との戦いの方がいつも印象に残るのは何故でしょうか。なっちゃんこと小早川奈津子、今回も健在です。いかにもすぐ消えていきそうなキャラなのに、随分彼女は残ってますよね。最早、レギュラーと言っても差支えがないくらい。まあ、あの人殺しても死ななさそうだし。ゴキブリ並の生命力というか。ちょっと鬱陶しいなあと竜堂兄弟同様思ったりもしますが、彼女の台詞の言い回しは結構過ぎだったりします。巻末の対談でも書かれてましたが、なっちゃんの「をーっほ(以下略)」には笑いました。略したい気持ちはなんとなくわかります。

 印象的というわけではないのですが、長兄の始さんが歴史好きで文化財を大事にする方だというのがいつも以上によくわかりました。文化財は一度壊れたらもうどうしようもないけれど、お前たち(弟たち)は殺しても死なない、みたいな事を言ったらしい始さんに脱帽です。確かに、とは思うんですが。けど、結局は皆兄弟想いだから、それが本音だろうと本音じゃなかろうと些細なことなんでしょうけど。
 始さんと茉理ちゃんの仲は旅の仲間全員が気にするところなんでしょうが、今回もいつも通り何かがあるわけでもなく。のんびりペースがあの二人には会ってるように思います。大体、うら若い女の子と一緒の部屋に二人っきりで泊まるなんて、ねえ? 皆の勧めでそのまま一緒に泊まっちゃうような人は始さんではない、と思います(笑)

 ラスト、茉理ちゃんたち(一緒にいますが)のもとに、彼女のお姉さんが来たところで10巻は終わります。いつからか忘れてしまったけれど、ここ数巻、政治や官僚に対するぼやき的なものが目に見えて多くなってる気がするのが気になるところ。展開もスローペースになってきてるような気もしなくはないですが、それでも戦闘シーンなんかは迫力あって楽しいです。所々に織り交ぜられているコメディ部分とかも。