クリスティーの作品は読みやすいと思うのですが、やっぱりこう事件が進展すると読む速度もあがりますね。結末が知りたくなるので。今回もそんな感じです。中盤から終盤にかけて事件が二転も三転もするというか。
 些細な盗難騒動が最終的に殺人になってしまうわけですが、最初はただの窃盗事件でした。夜会靴だの電球だの脈絡のないものばかり。でも、そんな脈絡のない窃盗や些細な事件も筋道立てて考えるとその背後に思わぬものが見えてきて…というのを事件を通して説明する部分がこの作品の見どころなんじゃないですかね。犯人とか出た被害のこともあるのか、なんだか哀愁の漂う終わりでした。