たこ焼き視点で家族の絆が描かれた絵本。とうさんたこやきと他のたこ焼きたちの会話は、テンポが良くて、読んでいて楽しいです。特にとうさんたこやきはたこ焼きとしてのプライドが高く、焼き加減だったり形だったり、徹底して拘るんですが、家族のたこ焼きらしからぬ様子に対する台詞には思わず笑ってしまいます。他のたこ焼きたちに助言する様はいかにもなお父さん。絶妙な家族プレイは最高です。

 たこやきかぞくはいつまでも「たこやきかぞく」って感じで終了するんですが、これって同じ鉄板で作られるからだって部分もあるんでしょうけど、やっぱりこういう話考える人は上手だなあ。また、この絵本の「たこやきかぞく」の家族構成、何気にたこ焼きを作ってる家族の構成と同じなんですよね。そこがまた上手いなあと思う。心が温まる話です。そして、たこ焼きが食べたくなります。最後の一言がなんか色々ぶち壊した感がありますが、ほんとのことだから仕方ない。