いばりんぼうの殿さまからひげが逃げ出した…! 「差別意識のバカバカしさを表現した絵本」と内容紹介にあって、その差別というのは、この絵本では権力がある人(とのさま)とそうでない人(女の子)という部分にあって、その権力を象徴しているのが、たぶん「ひげ」なんだろうと思う。
 隠れて逃げる「ひげ」を追いかける家来という場面の繰り返しからなる話ですが、すべてはラストのとのさまと女の子のやりとりにあるような気がします。内容にあるような、「バカバカしさ」というのが、上手く書けてるなあと思う。面白いです。
 絵は書き込みが多くて、見ているだけでも楽しいです。画面からひげを捜すのとか。家来たちの顔も様々で色んな遊びが施されているように思います。じっくり見たい。